下諏訪町・赤砂崎公園における「設置等予定者」に選定されました。
下諏訪町・赤砂崎公園における民間事業者による複合施設開発プロジェクト
長野県下諏訪町が進める「諏訪湖畔地区グランドデザイン」の実現に向けた画期的な民間連携事業として、諏訪湖畔に位置する赤砂崎公園において、株式会社クロスプロジェクトグループとアルピコリゾート&ライフ株式会社による共同事業体が「設置等予定者」として選定されました。
この事業は、地域の自然・観光資源を最大限に活用した複合施設の整備・運営を通じて、諏訪湖エリアの魅力向上と持続可能な地域活性化を目指す重要なプロジェクトです。

下諏訪町グランドデザインと事業背景
下諏訪町では、「住みたいまち、元気な声がひびくまち」の実現を目指し、地域住民・事業者・学生等幅広い立場の方からの意見を集約してグランドデザインを策定しています。特に諏訪湖畔地区においては、「美しい諏訪湖周辺で自然と共存し、誰もが健康づくりやスポーツを楽しめる、憩い訪れたい水辺空間の創出」を基本理念として掲げており、本事業はこの理念を具現化する重要な取り組みとして位置づけられています。
赤砂崎公園の特徴
事業の舞台となる赤砂崎公園は、諏訪湖畔に2020年7月に完成した約7.3ヘクタールの防災機能を備えた複合的な都市公園です。
一級河川砥川が諏訪湖に流入する河口部の右岸と左岸に岬状に形成された平坦な土地に位置し、諏訪湖に面して湖水と信州の山並みや富士山を諏訪湖の延長線上に遠望できる良好な景観が保全されている貴重な立地です。
特筆すべきは、公園のイメージスケッチを下諏訪町出身で世界的に著名な建築家である伊東豊雄氏が手がけたことです。公園全体のコンセプトは「五つの輪(和)-野の花の中に五つの輪が浮かぶ」とされ、野の草や花をちりばめた自然なままの公園、季節感を楽しめる公園、エリアごと特徴的な人が集う場所を実現しています。

事業実施主体の概要と実績
アルピコリゾート&ライフ株式会社
代表法人であるアルピコリゾート&ライフ株式会社は、信州長野県の生活総合企業グループ「アルピコグループ」の一員として、蓼科・八ヶ岳西麓地域を中心に生活インフラとアウトドアアクティビティを提供する企業です。蓼科開発のパイオニアとして65年の歴史を有し、蓼科高原カントリークラブ、蓼科高原別荘地、八ヶ岳中央高原四季の森別荘地など多くの事業を展開しています。
同社によると、諏訪市を発着点にグループ会社が運航している諏訪湖の遊覧船の乗り入れも構想されており、諏訪湖エリア全体を活用した総合的なレジャー事業の展開が期待されています。
株式会社ワークスゼロ
施設設計を担当する株式会社ワークスゼロは、長野県内に下諏訪、松本、長野の3拠点を置く一級建築士事務所です。2001年の創立から20年以上にわたり、店舗・クリニックに特化した建築設計を手がけ、物件探しから工事までトータルサポートを提供しています。代表者は山崎正之氏で、「ながのをデザインで継なぐ」をコンセプトに、人と人の繋がりや街の賑わいを守り、継承し、地域の発展に貢献することを重視しています。
施設概要「SUWA Cominal(スワコミナル)」
計画されている複合施設「SUWA Cominal(スワコミナル)」(仮称)は、建築面積約200㎡の規模で2026年春の開業を予定しています。主な機能として、飲食店、レジャー・アウトドアレンタル、キャンプ場運営を展開し、富士山ビューをはじめとする湖畔の美しい風景を楽しみながら滞在できる拠点として、カフェ、アクティビティ、キャンプなど多彩なコンテンツを提供する予定です。
特に注目すべきは、諏訪湖畔初のキャンプ場が設置されることです。これまで諏訪湖畔にはキャンプ場が存在しなかったため、アウトドア愛好者にとって新たな選択肢となり、観光資源の多様化に大きく貢献することが期待されます。

水上アクティビティ事業の展開
施設では陸上での活動だけでなく、水上アクティビティ事業も予定されています。諏訪湖は長野県内唯一の漕艇場を有する諏訪湖ローイングパークがあり、東京オリンピックのアルゼンチン代表とイタリア代表のボート事前合宿地としても利用された実績があります。このような水上スポーツの伝統と新たなアクティビティ事業の融合により、諏訪湖の魅力をより多角的に発信することが可能になります。
地域への波及効果と将来展望
観光振興と経済効果
下諏訪町の宮坂町長は「住民らと共に描いたグランドデザインの一つが実現することは非常にうれしい。町全体への波及効果を期待している」とコメントしており、本事業が単なる公園内の施設整備にとどまらず、町全体の観光振興と経済活性化の起爆剤となることが期待されております。
諏訪湖エリアには既に諏訪湖一周サイクリングロードの整備や、赤砂崎公園のバスケットコート、健康器具など様々なアクティビティ施設が整備されており、日常的にランニングやサイクリング、犬の散歩をする光景が見られるエリアとなっています。新施設の開業は、これらの既存施設との相乗効果により、諏訪湖畔全体が魅力的な滞在型観光地として魅力アップするものと考えております。
今回の画期的な官民連携事業は、下諏訪町のグランドデザイン実現に向けた重要な第一歩であり、諏訪湖エリア全体の新たな魅力創出と持続可能な地域発展のモデルケースとして、全国からの注目を集めることが予想されます。地域の自然資源を活かした「天然資源」の有効活用と、多様なステークホルダーとの連携による「共創」の力で、次世代に向けた新しい価値創造を実現します。